深夜バス
長野県で起ったスキー場行きバスの事故は大変痛ましい結果となってしまった。
亡くなられた方のご冥福を祈ります。そしてまだ重態の方もいるようなので、早く元通りの身体に戻れますように。

何故今回のような凄惨な事故が起きてしまったのか。色々な原因や推測がニュースでもやられているけれど、いずれにせよ非常に些細な判断ミスから起きた、取り戻すことの出来ない大事故だと思う。
事故が起きた碓氷バイパスは僕も走ったことがあるし、あの辺を運転する人の間では結構有名だ。要するに群馬側はものすごい急カーブの連続で、碓氷峠を越えて長野側に入ると、今度は見通しの良い急斜面の下り坂となる。
道路は凍結してなかったとは言え、深夜にあそこを走るのは事情のあるトラックか、峠族(っていうの?)と呼ばれる走り屋くらいだろう。
運転難度の高い一般道を、何故乗客を乗せた大型バスが深夜運転しなければならなかったか。
しかも亡くなった運転手の人は、12m級の大型バスの運転経験が乏しかったと言われる。起るべくして起きた事故、と言われてもしかたがない。

僕は長距離運転もするし、深夜運転もする。バンドをやっていた頃、それこそ日本中をものすごい距離運転していた。
もちろん自分ひとりじゃなく、車内には同乗者であるメンバーが乗っていたりするわけで、安全運転、そして事故が起きないようテクニカルな部分も含めた運転技術にはかなり気を使っていた。
深夜には運転しないのが一番だけど、どうしてもスケジュールの都合上、深夜に走らなければならない時はある。しかもそれが高速だったり長距離だったりすることも。
危ないよなぁ、今考えると。安全運転を心に誓っていたとしても、運転中に突然何かが起きるということはあるもの。
長距離トラックの運転手さんも、あとは大型バスも、アスリートみたいなもんだと思うよ。自身の健康管理と、相当な自己コントロール能力が必要とされるはず。でも、そこまで(アスリートばりに)気を使っている人ばかりではないのかもしれない。
運転免許の取得基準と、それを維持するための適性検査(そんなのあるのかな?)が緩いんじゃないかなぁ。

こういった事故は、今回以前にも何度も起きている。その殆どが、長距離の深夜バスだ。
正直、またか…という気がしなくもない。昨日の事故後、安倍首相が自身のTwitterで事故の原因究明と再発防止の徹底を明言していたが、その割りにこの手の事故はなくなる気配がない。
業界構造や運転手不足の問題も恐らく慢性化しているのだろう。いやだって大型バスの運転経験が乏しい65歳のおじいちゃんが深夜運転するとか怖すぎでしょ普通に考えて…
乗客はこういうリスクを自ら選択して回避することが事実上不可能だ。旅行会社は、良好代金を安くするために安全面をおろそかにしたりはしていない、と言うけれど、そもそも旅行代金が安かろうと高かろうと、バスの安全性とは無関係のはずだ。
自分が乗る深夜バスの運転手を料金で選択出来るわけではない。旅行会社ですら、契約するバス会社がどんな運転手を乗務させるか事前に分っていないのだから。

元長距離ドライバーの私が夜行(高速)バスに乗りたくない理由

おおむね同じような理由で、僕も深夜バスというのは実は生涯で1度か2度くらいしか乗ったことがない。
確かにローコストで、それ以上に時間を有効に使えるのが魅力ではあるのだけど、自分で運転した方が楽しいし安全だし、それが無理なら翌朝の飛行機なり新幹線なりを使った方が合理的だと思う。
このリンク先にも書いてある通り、以前は走行距離670キロまで「運転手1名」でOKだったが、それではあまりに危険だと言うことで今は400キロまでに改正されている。
400キロを一人で運転するのってめちゃめちゃキツイけどね…。
今回の事故を起こしたバスは、もちろん二人の乗務員で交代制だった。それでも事故は起きてしまうわけだ。
ワンマン運転じゃなく交代制にすることは、確かに多少の担保にはなるだろうけど、事故を完全に無くせるかというと、あまり相関性がない気がするなぁ。

高速バス業界はこれでさらに規制が厳しくなると思うが、果たしてどうなるだろうか。
同じような事故が、本当にほんとうに2度と起きませんように。
関連記事
スポンサーサイト



このエントリーをはてなブックマークに追加
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック