VWの排ガス不正問題はどうなるのか
9月最後の週末。ちょっと前まで連休だったせいか、なんか休みが多い気がするな。。。

ヴォルクスワーゲン(VW)が自社のクルマに不正なソフトウェアを組み込んでいた問題で、VWの会長が辞任したり、全世界的なリコールが起きる(かもしれない)懸念があるなど、色々大きなニュースになっている。
だけどこの話題、そもそもクルマによっぽど詳しくないと、一体何が問題で、なぜVWがそんな不正をしたのか、いまいち原因と理由が分らない。
こういうときこそ、池上彰さんなんかがバシッと分りやすく解説して欲しいところだけど、TVでも連日ニュースではやっているものの、踏み込んだ説明はあんまりしていない気がする。

世界各国で、自動車を販売するためにはその国が定めた「排気ガスの排出量」に関する基準をクリアしていなければならない。要するに、車から排出される排気ガスで環境が汚染されないように、国ごとに定めたルールがあるわけだ。
で、そのルールを守っているか、基準をクリアしているかどうかをテストし、合格なら晴れてその車は販売できるようになるんだけれども、今回VWはこの「テスト走行」の時には排気ガスを自動的に抑えて、テスト走行でない時、つまり販売されて僕達ユーザーが運転する時には排気ガスがダダ漏れになるようにプログラミングされたソフトを、自社の車に搭載していたことがバレたわけだ。
かなり端折って書いているけど、ここまでは分る(笑)

何故そんなソフトウェアをわざわざ車に搭載するのか。
もちろんズルをすることで排気ガステストをクリアするためなんだけど、ここが普通の人はよく分らないと思う。
このテストは各国によってテスト内容も、合格不合格の基準も違うため、とある国では基準合格しても別の国では不合格となってしまうことがある。
これまた端的に言うと、排気ガスに含まれるNOxという有害物質に対して一番基準が厳しいのがアメリカとカナダ。そしてその基準をほぼ踏襲している日本だ。これらの国で車を販売するには、環境に配慮された車、エンジンを開発してテストをクリアしないといけない。
一方で、ヨーロッパは北米や日本に比べて、NOxに対する基準が緩い。要するにテストを比較的楽にクリアできる。(その代わりCO2の排出量に関しては北米よりも厳しいとかあるんだけど、分りにくいので割愛)
VWはドイツの会社なので、まずはヨーロッパ向けに車を作るんだけど、その車をそのまま北米や日本で売ることが出来ない。そのためには排気ガステストに合格する別のエンジン、車を研究開発しなければならない…そこで今回のような「ズル」が生まれたわけだ。
なんでも、この排気ガステストというのは「○○という条件で走った時に、排気ガス排出は◎◎以内に収まるように」みたいな感じで、条件が決まっている。
だから、その条件で走っている時だけ、排出を抑えるように自動制御すれば、環境基準に達していないクルマでもテストに合格できてしまう。
へーそうなんだ知らなかった!このテストはサーキット場の様なところできちっと決められた条件のみで走るので、一般に街中や道路で車を運転するのとは根本的に異なる。だからこそソフトを使ったズルが可能なのだ。

今回の問題は、通常の車のリコールとは違って、直接的に運転者を危険に晒すようなものではない。(ブレーキの故障とか、エアバッグの不具合とか)
まぁ環境は汚れるけど…ただ、VWの車が他のクルマよりもめちゃくちゃ有毒な排気ガスを排出しまくっているかというと、全然そんなことはない。
ガソリンを使う以上、排気ガスをゼロにすることは不可能だし、そもそもかなり特殊で限定的なテスト走行に限った話なので、普通にユーザーが運転する場合はそれほど変わらないのだ。
だからこそ、クルマのことが良く分っている人、つまり自動車メーカーの技術者の人達なんかは以前から「何故VWのクルマは以前と同じエンジンのままで北米や日本のテストを合格できるのか?」怪しまれていたという。
VWとしては、ヨーロッパだけでなく北米や日本でも沢山クルマを売りたい。しかしその為に新型のエンジンや車体を開発するには膨大なお金と時間が掛かってしまう…という事情があった。

今回の不正ソフトを開発したのは、BOSCHというドイツの自動車精密機器の最大手メーカーだ。
このボッシュと関わりのある自動車メーカーは、もちろんVWだけではなく、世界中の自動車メーカーが何らかの形で関わっているといっていい。そのくらいグローバルな超大企業。
なので、不正ソフトの使用が明るみに出たのはVWだったとしても、ひょっとすると他のクルマでも…の疑念を拭うことは出来ない。
そのせいで、今回の問題はこれからさらに大きな問題へと発展する可能性がある。すでに次の疑惑の矛先は、同じBOSCHのソフトを搭載しているBMWに向けられいている。
一方で、日本国産のクルマはどうなるだろう??日本の自動車メーカーは排気ガスに関して、かなり厳しい基準のもと研究開発をしている。
例えば近年ディーゼルエンジンのハイブリッド化に力を入れているマツダなんかは、今までの常識では考えられないほどNOxの排出を抑えたクリーンなディーゼルエンジンを開発した。
その分パワーや燃費は落ちるのだが、将来的に環境基準はどんどん厳しくなることが想定されるので、そこを犠牲にしてでも排出量を抑えた、環境にクリーンなクルマを作っているのだ。
このマツダのエンジンシステムをコントロールしているのが、同じく日本のデンソーという会社のソフトウェアになる。トヨタもこのデンソーのソフトウェアを使っており、ボッシュ製ではない。

もし今回の事件で、ヨーロッパ車に対する疑念が広まり、排気ガスの環境基準についてより厳しい規制が求められるとするならば、かえって日本の自動車メーカーにはチャンスになる可能性がある。
日本車だけでなく、ボルボやジャガー、ランドローバーといった外国車でもデンソー製機器を使用して厳しい排出基準をクリアしている車は沢山ある。
一方で、ドイツだけでなくEU全体の「稼ぎ頭」となっているVWが沈むと、これはヨーロッパの経済全体を揺るがしかねない。
同様に、VWの車が世界で一番売れているのは実はドイツではなく「中国」だ。中国で今までのように車が売れなくなると、目前と言われている中国バブルの崩壊を早める要因となるかもしれない。
なので、どっちに転んでも世界経済全体に大きな方向性をつける可能性があるのが、今回のVWの不正事件だ。
ここまでかなり端折りながら一気に書いたけど、分っていただけだろうか?笑



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