自分のスタイルを変える人、守る人。どちらが共感できる?
去年の話をぶり返すようで申し訳ないが、今の自分がやっていることとも割と関係あるので。

昨年発売されたTaylor Swiftの最新アルバム「1989」。アメリカでは10数年ぶりにCDセールスの記録を更新したくらい、大ヒットしたバカ売れアルバムだ。もちろん日本を含めて、世界中でテイラーの人気を決定付けたといえる。

上記のリード楽曲「Shake It Off」を聴いても分かるように、今のPOPSと呼ぶに相応しい、流行のサウンドとアレンジに沿った楽曲がこのアルバムを彩っているが、このサウンド感、あるいは楽曲についてはTaylor Swiftファンの間で賛否両論、議論を巻き起こしている。というか、昔からのファンの間でははっきり言って「不評」だ。

理由は、もともと彼女が音楽ジャンルでいう「カントリー」から出てきた歌手であり、いわゆるカントリー調の楽曲アレンジ、生演奏でのバンドサウンド、そして繊細だが美しい声質のボーカルが彼女のそもそもの魅力だったからだ。
デビューから数年、それで確実にファンを増やしていったわけだが、2012年発売の前作「RED」あたりから、POPやダンス路線に変更し、今回の「1989」では完全にシフトチェンジを果たした。
彼女本人もそれを認めているし、今は昔とは違う、これこそが今の彼女のやりたいことなのかもしれない。

僕が面白いと思うのは、アーティストがその音楽性や作風をガラリと変えて、「今流行ってるサウンド」に寄せてくる、あるいは方向性を変えると、昔からのファンは大抵不満を言う。
それをねじ伏せるくらい、新しい音楽性や楽曲が魅力的であれば良いのだが、なかなかそういう例はないし、今回のテイラーの新作に関しては僕も全然ダメだと思っている。はっきり言って曲が良くない。
だけど、CDの売上は過去の作品も含めて一番売れている。今の流行にあわせた、最新のサウンド、アレンジにしたことで、不満を言う今までのファン以上に、大量の新しいファンを獲得しているのだろう。

Amazonの口コミレビューを見ればこの構造はすごく分かりやすいと思う。
1989 (13 Tracks/International Standard Jewel Case)
評価5(最高)の口コミと、評価1(最低)の口コミを合わせて読むと、今のテイラーがおかれているポジションというか、それに対するファンの悲喜こもごもが良く分かって実に面白い(笑)。
方向性を変えてまで今流行のサウンドに寄せるか、それとも昔からの自分のスタイルを貫き通すか、アーティストとしてはとても難しい選択だ。特にメジャーの場合、やりたい事をやるのではなくてそれによってどうセールスが変わるかも考えなくてはいけない。



で、ここまでが前置きなんだけど。
僕も昔からのTaylor Swiftのファンとして、今回の「1989」は好きじゃない。早く昔のような、生演奏のカントリーに戻って欲しいと思っている。
だけど、自分がもしTaylor Swiftだったら(?)、いやあるいは彼女のプロデューサー、アレンジャーだったとしたら、やっぱりこういうサウンド感やアレンジを作るだろうなという気がするのだ。
もうカントリーは十分にやったし、今巷で流行ってるのはこういうアレンジだし、新しいファンも獲得出来そうじゃん?て感じなのか、自分でもよく分からないんだけど(笑)、ファンとして聞き手として好きな音楽と、作り手として売り手してやりたい音楽が違うのだろうか。
実に不思議だ。

今僕自身も混乱したまま書いているから上手くかけないけれど、例えば僕はバンド演奏が好きだし、音楽は生で演奏してこそだと思ってる。
だけど今自分で音楽を作ろうとすると、生ドラムよりも打ち込みのビートで、ギターやらベースやらで演奏するよりもオールシンセサイザーで、しかも手弾きじゃなくて打ち込みでって感じになるんだよね。
バンドサウンドのオーダー(発注)があればもちろんそれでやるけど、そうじゃなくて自分で自主的に(?)音楽を作ろうとすると、自分自身が大好きなバンド演奏ではなくて、そっちでやろうとするから不思議だ。
そっちの方が流行ってるし、売れそう、ということなのだろうか。
別に自分の音楽なんだから売れそうとかそういうのは関係ないはずなんだけど(笑)。

というわけで、改めてテイラーの「1989」も聴きなおしてみて、何度聴いても「これじゃない!昔のテイラーがいい!」とか絶叫してしまうのに、自分も同じようなことをやろうとしてしまうという…
今日も悩みながらやっております。


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