Sound City -Real To Reelの感想レビュー
お久しぶりです。連休も前半戦の真っ只中、アベノミクスの好景気も手伝って都内や日本各地の観光地・施設も大混雑だそうですが、みなさんお出かけしてますか~?




最近DVDで見た映画のご紹介です。
Sound City -Real To Reel


FooFightersのデイブグロールが監督したドキュメンタリー映画で、日本では劇場公開されなかったためDVD化を待って購入。映画のあらすじはYoutubeの予告編を見てもらえば大体分かりますが、アメリカに実際にあった音楽スタジオの栄枯盛衰を描いたドキュメンタリー、加えて映画の後半はそのスタジオに縁のある有名ミュージシャン(と超有名ミュージシャン)達のレコーディング・セッションをこれまたドキュメンタリー風に描いた映画です。

舞台となるSound Cityスタジオは1970~90年代前半くらいまで、数多くの名盤、名作がレコーディングされた世界的にも有名なスタジオで、特にバンドやロックミュージシャンには憧れの強い伝説的スタジオなんですが、そのスタジオがどんな風に出来て、発展し、そして衰退していくか(最終的に2011年に倒産、閉鎖されます)を、スタジオのスタッフや、様々なアーティストの証言を元に内実含め明らかにされていくのが、この映画の見所です。

監督でありミュージシャンでもあるデイブグロールがこの映画を通して描きたかったのは、表現、アートとしての音楽と、ビジネスとしての音楽がどういう風に共存して、あるいは反発しあって、何十年前から現在に至るまでやってきたのか、ということが一つ。音楽てのは芸術でもあり、仕事でもありますからね。プロにとっては。

もう一つは、テクノロジーやインターネットの進歩が音楽にどういう影響をもたらして(これは芸術としても、ビジネスとしても)、結果音楽はどんな風に変わってきたか、ということを観客に伝えたかったのではないかと思いました。ま、あんまり書くとネタばれになるけど、ドキュメンタリーなのでネタばれも何もないか??「映画みたいな」驚きのストーリーがあるわけではなく、非常に淡々と、ロックやポップ音楽が時代と共にどう変わっていったかが描かれていて、既に知ってることではあるけれど、とても面白かったです。





劇場公開されなかったくらいなので、多分僕みたいな少数の業界関係者かFooFightersのファンくらいしか観てないのかもしれませんが、どちらかというとそういう事情を知ってる人よりも、普通の音楽ファンの方、ロックやバンドが好きな人が見たほうが「へ~そうなんだ~」と、色々新しい発見や興味深いことがあるかもしれません。機材のこととかレコーディングの歴史なんかも、分かりやすく描かれています(個人的には、分かりやすくするために結構端折ってる気がしたけどね)。ここでレビューを書くということは、要するにみなさんにオススメということです(笑)。

映画の途中からキーワードになってくる「アナログからデジタルへ」という話。ミュージシャンも、スタジオも、リスナーも、音楽に関わる全ての人がこのアナログからデジタルへの転換を80年代後半から90年代にかけて通ります。90年代以降に生まれた人は、そもそも生まれたときから音楽は「デジタル」なもので、アナログな音楽ってなんなのか、それ自体が分からない人も多いでしょう。

僕が初めて自分で曲を作って、レコーディングというものをやり始めたのはちょうど2000年前後なので、もちろん既にレコーディングは「完全にデジタル」です。特にその頃はデジタル信奉がもっとも強かった時期なので、アナログレコーディングとか、アナログテープとかは完全に絶滅しかけていました。そこから13年、あの時影も形もなかったアナログ的な音楽が、こうして映画になるくらいにミュージシャンや業界にとって重要なトピックになるとは、なんとも不思議な気がします。

舞台はアメリカ、登場するのは伝説的な有名ミュージシャン、バンドばかりなので、この映画で描かれていることやメッセージがイコール日本の音楽業界にも当てはまるかというと、全然そんなことはないのですが、やっぱりアメリカは音楽、あるいはロックと言うものに対して本当に真剣だし、アツイなぁと思いました。デイブグロールは自分のバンドを一時休止してまでこの映画を作ったそうですから、それは相当音楽に対して「真摯」でないと出来ないと思います。同時にまぁなんていうか…音楽とかロックとか、好きなんだろうなぁ。心底。映画に出てくる人達はみんなそんな感じです。音楽を愛してる。

古きよきアナログ音楽をこうして大切にして、愛するような文化的土壌は、日本とアメリカでは比べ物にならないと思います。そもそも日本にはアナログ・レコーディングに対する精神的バックグラウンドがほとんどないはずですし、デジタル音楽の土台(CD、DATやPCM3348)を一番最初に普及させたのは、日本のメーカーです。デジタルはアナログより絶対的に良いもの…と信じて最近まで来たわけですが、単純に音質だけじゃなくて、精神的な部分も含めたアナログの大切さについて、この映画では何度もメッセージとして出てきます。





人間が作り、人間が演奏する音楽。これって当たり前のようで、実は今やなかなか希少なのです。特に日本においては。アメリカ人の一部はまだそういう部分をものすごく大切にするので、この映画でも人間が音楽を演奏すること、人力で作ることの大切さが何度も何度も繰り返されますが、日本は世界で唯一のボカロ大国でもあるように、もはや人間が作ったり演奏したりすることには誰もほとんど拘りはありません。実際、CDやTVで普段聞いている2013年のJ-POPの多くは生演奏ではなくプログラム=打ち込みです。エレキギターの音のほとんどは、ギターアンプからではなくCPUチップの演算によって作られているでしょう。これは紛れもなく事実です。

別にその事が悪いとか、もっとアナログな音楽に回帰するべきというわけではないのですが、この映画「Sound City」を観ていると、そういうことについてうーんと考えさせられる気がします。そういう所も含めて、きっと面白く観れると思うので是非。個人的には、やっぱり洋楽のロックが好きです(笑)

では、今日はこの辺で。

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