45年前から変わらない 成功するバンドの法則とは
今日は東京で初雪でした。昼の間結構降ってて、ジムに行く予定が思わず億劫に…。なもんで、ひたすら読書の日。読んでなくて溜まってる本が沢山あります。その中から以下の一冊。

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Marketing Lessons from the Grateful Dead

グレイトフルデッドは1965年にアメリカで結成され、1995年に活動停止するまでの30年間、アメリカで最もライブ動員力、つまり人気のあったバンドです。詳しいプロフィールはWikipediaで。

誰もが知ってるヒット曲がないため、日本での知名度ははっきり言って少ないですが、アメリカ人で、ある程度年齢がいった人達の間では今もものすごく人気があり、いわゆる「伝説の」カリスマ的バンドだと言えます。

特徴的なのは、Grateful deadのファンにはオバマ大統領や、故Steve Jobs、Google創業者のLarry Pageといった「今を象徴する」カリスマの人が多いことです。だからこそ、今あらたにGrateful deadが注目され、こういう本が出るわけだけど。


・他の人がやらないこと「だけ」やり続ける。



Grateful deadがその30年の活動期間の中で実践し続けた「一風変わった」バンドの戦略、というかバンド活動のやり方がいくつか紹介されていますが、そのどれもがとてもユニークで、どうしてこんな事を1960年代に思いついて、やり続けてきたんだろう?と思うことしかり。例として、

①レコード(CD)を売るのではなく、ライブの収益だけでバンドが成り立つようにした。
②全てのライブをファンが録音・録画してOK。それらをファン同士で共有してもらった(ただし売買はダメ。必ず無料で)
③30年間でのべ2300回以上やったライブは、全て違う演奏曲、曲順で行った。
④ライブチケットやファンクラブ会報等、ネットのない時代から常にバンド→ファンへ直接やり取りした。

などなど…まだまだあるんですが、代表的なこれらの事は1965年のバンド結成から、30年間一貫してやり続けていたんだから、凄いですよね。

当時、バンドのメンバーは車で寝泊りして、ホームレス状態のままアメリカ各地を点々としひたすらライブをやり続けました。1969年のwoodstock出演がブレイクポイントになるのですが、それ以前から彼らは「とにかく他のバンド、アーティストがやる事の正反対をやる」事だけを貫いていた訳です。

これは今でいうContrarian marketingのやり方に近いですが、バンドが当時そういうことを狙ってやっていたわけではなく、ただ自分達の好きなことを、やりたいようにやってたらそうだった、というのが正しい所。

60年代のヒッピーカルチャーは「愛と平和」「競争をしないで、みんな仲良く「自由に、好きなようにやる」のが大きな価値観で、それは時代と共に流行ったり、廃れたりを繰り返すのですが、グレイトフルデッドがそういう価値観をファンに体現していた事は間違いありません。


・キーワードは「任せる」こと。そしてそれを「みんなで楽しむ」こと。



今、CDが売れない時代だと言われます。ライブやグッズの収益がなければメジャーのアーティストでも大変です。一方で、Youtube等でPVやライブ映像はどんどん無料でアップされ、ファンの人にもファンでない人にもシェアされています。楽曲そのものをダイレクトに配信、しかも無料でやるアーティストもちらほら出てきました。

そういうのは「今、こういう時代だから」仕方なくやってると思う人もいるでしょう。だけど、Grateful Deadは45年以上前から今のアーティストと同じ事を「楽しんで」やってました。その結果、Beatlesよりもライブの通算興行収入が多いバンドになったわけです。

本にはそういったGrateful deadの「先見性」が書かれていますが、僕としてはむしろこのバンドのやり方が素晴らしい、大好きだと思ったファンが大人になって、その中からJobsやLarry Pageといったカリスマが次々と現れて今の時代を作っているんじゃないかと思います。

もちろん先見性や独自の戦略もバンドには必要かもしれませんが、そういった事はむしろ成功した後の後付で、バンドがやっている音楽的な、活動内容的な「価値」を、ファンの人達に預けたのが大きいのではないかと。

「俺達は好きなことを自由にやってるから、君達はそれを自由に楽しんでよ」なんて、まるでJobsが言いそうじゃないですか(笑)。でも、もしジョブズがそのアティテュードをグレイトフルデッドから感じて学んだのだとしたら…なかなか凄いバンドだと思いませんか?

ちなみにこのバンド、Youtubeで見てもらうと分かりますが、そんなに「上手い」バンドじゃないです。むしろ毎回違う演奏だから、結構間違えたりグダグダになったりするライブ(を録音したプライベード盤)もあります。

でも、デッドヘッズ(グレイトフルデッドの熱狂的ファン)の人に聴くと、そういう所もすごくイイそうです。隠し事をしない、全てをファンにさらけ出してくる、みたいな所に萌えるんだろうな。そういう所もとても現代的。一方的なメディアプロモーションや、ステマなんて嫌われるだけの時代だし。

僕も一時期デッドのプライベート盤レコードを集めようとした事がありますが、はっきり言ってキリがないので辞めました(笑)。ファン一人一人によってそのレコードの価値が全然違うんで(例えば自分が初めて行ったライブとか、今の奥さんと初デートで行った日のライブとか)、もう無限大の楽しみ方、集め方があるみたいです。

今になって思うと、バンドやってた最初の頃って結構自分もこういう姿勢だったような…戦略とか全然なかったし、マーケティングもないから好き勝手やってた感じ。恵比寿ギルティとかMarzとかで(笑)。今となってはちょっと青臭いなと思う部分もあり、あれが良かったのかもと思う部分もあります。

音楽、バンドが好きな人ならとても楽しめる本だし、翻って今なにが時代に求められてるかを考えるにもうってつけの本です。正直一曲も曲を知らなくても楽しめます(笑)。興味があれば、是非。

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