そうだったのか!分かりやすいミキシング解説
唐突ですが、最近「ミックスとマスタリングってどんな作業なの?」と聞かれる事があったので、ちょっとその回答など書いてみたいと思います。



CD制作において、この二つの作業は必ず行う工程です。で、一体どういう作業で何が違うかといいますと、もの凄く極端に簡単に言って(最初は分りやすく、短めにね。。。(笑)

①ミックスとは、
レコーディング(録音)された複数の楽器や声、演奏を音楽的にバランスをとってまとめる。

②マスタリングとは、
ミックスされた楽曲(2曲以上、つまり複数)を、一枚のCDとして違和感のないよう音楽的にバランスをとって、最終的なCDとして完成させる。

こういった作業の事なのではないかと思います。

こうやって書くと、音楽やっている人からは省き過ぎだろっ!とお叱り受けてしまいそうですが、まぁ的は得ているんじゃないかと。

まず曲を作ろうと思ったら、楽器や歌をレコーディングするんだけれど、これはせーのでみんなで演奏したものを、その場にマイクを立てて録音しているわけではないのです。そうやって録音したものも確かにありますが、今は少数。

時代と技術の進展とともに、そして誤解を恐れずに言えばビートルズの様なアーティストの出現とともに、マルチトラックというそれぞれのパートをバラバラに録音する、というやり方が主流になるのです。

これは各パートが一緒に(同時に)演奏するかどうか、という話ではなくて、各パートの音が、別に別に録音されるという意味です。うーん、分かりにくいか?それとも当たり前すぎか?(笑)

なもんで、その個別に録音された歌や楽器を、そのまま再生して聞いたのでは色々とバランスに問題が生じてきます。歌を聴かせたいと思ったら歌の音量を上げて、ドラムがうるさいと思ったら音量を下げて、そういう事を細かくやって、バランスを取るのが”ミックス”です。

勿論音量だけではありません。例えばスピーカーでもヘッドホンでもいいんだけど、ギターは右から聞こえるか、左から聞こえるかという事がありますよね。

ギターが右からなら、ピアノは左の方がバランスがいいか?とかそういうのを考えて、実際に配置するのも"ミックス"です。

あるいはベースの低音はどれぐらい聞こえさせるか、それに対してドラムのシャーンというシンバルの高音はどれぐらいか、それともシンバルよりもシンセに高音は任せた方がいいんじゃないか、とかそういった音量でも音場でも音域のバランスをとるのも"ミックス"です。




再び極端に簡潔に言ってしまうと、"音量"と"音場"と"音域"のバランスを取って、音楽として楽曲として
より魅力的にする作業がミックスではないでしょうか。それ以上でも以下でもないと、僕は個人的に思います。

歌一つとっても、ミックスのやり方によって上手くも下手にも聞かせられます。音楽製作におけるミックスの重要性は、昔からすごく重要なんだけど年々高まっている気がします。

これまた技術と知識の進歩と、リスナーの耳が肥えていることと、一番は楽曲構造が複雑になって、扱っているトラック数が増えている事が単純だけれども一番の原因だと思う。

だってどう考えても、歌とギター一本だけでレコーディングされた曲と、そこにドラムとベースとキーボードと、パーカッションにオーケストラにブラスが加わって膨大な数のバックコーラスとが入っている曲じゃ、ミックスの難易度が変わらないって事はない(前者の方がラク)。

それらをまとめるだけではなくて(まとめるだけでも大変だけど)、よりカッコよく、より音楽的に、さらには曲を作った作曲者やアレンジャー、演奏したミュージシャンの込めた意図と魂を丁寧に汲み上げて、楽曲という形にするのがミックス。

だから言葉で書くと簡単だけど、実際の作業では、リスナーの人からしたら考えられないぐらい細かくて神経質な、且つ大胆で勇気のいるチャレンジをやっています。ましてクオリティが高いとなると大変です(笑)。



まぁでも、個人的には先に書いたとおり、バランスを取る事が全てだと思う。

ミックス次第で…と言っておきながらだけれども、歌を上手く素敵に聞かせる事はシンガーの役割であって、ミキサーじゃない。

ギターや音がカッコいいのはミュージシャンの力であって、ミキサーじゃない。

ミキサーはただそれらレコーディングされた音のバランスをとるだけ。

理想論に近いものかもしれませんが、僕はそう思っています。

なんていいつつ、今時の編集作業は(僕を含めて)日本人を外人にするぐらい出来るし、僕の声を女性にすることも、布団を叩いた音をバスドラムにすることも、実際のものを実際のものでなくすることは、簡単に出来ます。

実際のままでミックスするってのが、ある意味一番難しいかもな…

なんにせよ、めちゃくちゃ大変な作業です。めちゃくちゃ大事な作業でもあります。ましてクオリティが高いとなるとそりゃ大変です(笑)。




ミックスの仕事をして報酬を得ている身でこんな事いうのも何ですが、僕はエンジニアではないので、自分がミックスのプロだとは思ったことありません。僕がやっているのは音楽製作の一環で、どちらかというと作曲、アレンジに近いものじゃないかと思います。

僕が考えているのは、どうすればその楽曲がより魅力的に聴こえるかという事だけでそういう思考がたまたま、ミックスという作業にも(ある部分では)適してる。

この辺は、去年のGENEとの作業も含め、海外の色々なエンジニア諸氏と交流を持つ事で考えさせられる部分ではあります。

最終的には、どうその楽曲、音楽を聴かせられるか、聴いてくれたリスナーの心を「これはイイ!」と打つ事が出来るか。プロのエンジニアも僕も、その事にだけ命掛けていると思います。

そのアプローチの一つが"ミックス"という作業です。



こんなですが、より分かりにくくないでしょうか?(笑)

明日は"マスタリング"の謎に迫る…!

(笑)

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