Twitter 1ヶ月やってみた。で、わかった面白さ・難しさ
Twitterを始めて、先日丁度一ヶ月が経ちました。ご存知の通り、その間かなりblogの更新が滞っている現状なので、まーどのくらい僕がTwitterにイレ込んでいるのか、良く分かるかと思います(笑)。

最初は読むほうも、書くほうも戸惑いの連続だったのですが、一ヶ月やってるとさすがに慣れてくるもので、時間のある時にさっと読んで、書くときはTwitterとは別に時間をとって書いたものを随時投稿するスタイルになりました。あんまりべったり張り付いててもそればっかりに時間とられちゃうんですよね。

まぁ始めた頃の初心者らしいといえばそうなんですが、自分の時間管理というか、タイムマネジメントの大切さをTwitterやってると結構感じます。実際ノイズも多いですし、そこに自分の生活時間をどのくらい割くのか、割かないのか。それが楽しめるかどうかの大事なポイントなのかも。


・「知らない人に声を掛ける」ことの面白さ・難しさ


一ヶ月やってみて、フォローしている方も、フォローしてくださっている方も大体500人ちょっとになりました。つぶやいた回数はもうちょっと多い600超くらい。基本的にツイッターのアカウント状態はこの3つの数字の「バランス」で見ると思うんですが、僕の場合のこれってどうなんだろ?まだ良く分かりません。

やっている方は分かると思いますが、フォローしてくださる方(フォロワー)に関しては、自分ではどうにも出来ない事なので特に意識することもないんです。だけど自分がフォローする方については、100%能動的にフォローしていった結果の500人という数字ですので、ここについては色々考える事もあります。

Twitterの世界って、よく言われるように街中の雑踏の中に自分で入り込んでいくような感じがあります。右見ても左見ても知らない人ばっかりだけど、その中からなんか面白そうかも、気が合いそうかもという感じるつぶやきを聴いて(読んで)、その知らない人に自分から声を掛けていく。

もともとそんなに社交的じゃないので、リアルで全然知らない人に対して、あなたのつぶやきを自分は知りたいんですよっていうスタンスでもって接するのは多少の躊躇というか、結構考えながらやってます。そんなに堅苦しいもんじゃないのかもしれなけど、まぁこれも性格だからしょうがない。

そんな時、相手が鍵付きなのはもちろん、例えばフォローしている数が極端に少ない人(30人以下とか)って、やっぱりこっちもフォローしづらい。あんまり知らない人に声掛けられたくないのかなぁと思いますし。芸能人とか有名人とかのアカウントは一切フォローしていませんが、その理由も似たような感じがあります。あの人達はビジネスとしてやっていて、知らない人から声を掛けられたいわけじゃないから。

Twitterを面白がる人も、逆に面白くないと感じる人も、この「知らない人に声を掛ける、知らない人から声を掛けられる」ていう感じをどう捉えるか、それが大きいんじゃないかと思います。僕も以前はそういう事やるの決して好きじゃなかったけど、やってみるとこれが案外楽しい。リアルで知ってる人だったら、メールとか電話の方がいいのかな、とも思っています。


・返信じゃなくてリツイートされることの面白さ・難しさ


一方で書くほう、というか「つぶやく」方ですが、これってやっぱり140文字という制限のあるミニブログみたいなものだと僕は思ってます。誰も読んでないかもしれないけど、読まれてる事を意識して書いてる。それを意識するかしないかで、良くも悪くもTwitterとの付き合い方が決まりました。

フォロー、フォロワー数共に50以下くらいで、つぶやき回数10000近くの人とかもいますが、本当に純粋な「独り言」でそれだけ呟けるかというと、結構大変なはずです。そういう方のつぶやき欄を見ると、大抵はフォローし合っている人との@リプライで埋まってる。まさしくお友達とのメッセージチャットとして楽しんでる感じ。

このリプライの使い方も結構難しくて、上記の人のように友達とメッセ交換するなら楽しいんですが、僕みたいに知らない人のつぶやきを読んで、知らない人に向けてつぶやきを書く(読まれなくても)タイプの人だと、使いどころがないんですよね。@付きリプライは「つぶやき」と根本的に違って相手に対して「絡む」感じになるので、「絡み」が好きな人かどうかの判断はいつも難しいです。

僕自身もわずか一ヶ月の間ですがこのことで失敗してる事があると思いますので、僕から@付きでリプ飛ばされて残念な気持ちになったが方いたら、本当に申し訳ない(苦笑)。まだ初心者なんで何卒お許しをm(_ _)m リプライはここぞと言う時にだけ使うよう、心がけたいなと思ったのもこの一ヶ月の収穫。

その「ここぞという時」ってなんぞや、というのも人によって違うと思いますが、僕の場合に限って言えばやっぱりリツイートされた時や、お気に入りにしてくれた時(ふぁぼられた時)ですね。これがすごい嬉しいし、楽しい。blog書いてる時には味わえなかった感覚でした。

自分の思ったこと(書いたこと)に対する反応、という意味ではコメントやリプライもそうかもしれませんが、リツイートは「自分の発言が、自分の全く知らない人の所にも流れる」という点で、もっと大きな意味を感じるし、RTしてくれた方に対して感謝と責任を感じます。適当なこと言えないよなって感じで。

やるからには適当なことはつぶやかないのは最初から決めてましたが、ほんの一ヶ月でその気持ちがどんどん大きくなって、今じゃ140文字を何書くかで相当悩みます。あ、相当悩むっていっても時間にしたら僅かですけど(笑)。blogが更新滞ったのも間違いなくこれが原因で、Twitterのせいで時間がないんじゃなくて、文章を書くことにより真剣になったから。

一般的な「Twitterの楽しみ方」とはちょっとズレてるのかもしれませんが、有名人でもなけりゃ誰に注目されてるでもない自分の考えや文が、少なくとも知らない誰かの心にリーチしているという実感は、それだけでパワーになります。これが例えば1万人フォロワーがいても、RTやふぁぼされなければ「誰も読んでないし、興味もない」可能性ありますからね。(ていうか実際ホントにそうだと思います)


・もっとTwitterを楽しむために、やっていきたいこと


なので、今後も引き続き「意義のある」、「価値のある」、「面白い」のどれかに限ったつぶやきを、頑張ってしていきたいと思います。まぁリプライだとそれも難しいんですけどね。どうしても素が出るというか、根がチャラいので、自分のチャラいリプライをつぶやき欄で見るたびに凹みます(笑)。リプライ無しで自分のツイートが埋められるくらい文才あればなぁ~。

それと、もっと頑張って自分の意思で探した多くの人をフォローしたいです。フォローが多くなるとTLが早すぎて全然読めなくなるなんて言ってた時もありますが、そんなのはリストや色々な管理ツールを使う事でどうとでもなりますし。本当に面白い、有意義なつぶやきを読みたいと思ったら、やっぱそれなりの数をフォローしないと出会えないと思うので。

僕はコミュニケーションツールとしてTwitterを使う事はそんなにないと思いますし、それでもなんでやるかというと、いろんな言葉に出会えるからなのかもしれません。同時に、その楽しみを他の人とも共有したくて、自分もいい言葉だけを発信しようと思っています。やりたいのは「いい言葉」の発信と、受信。もはやつぶやきじゃないですね(笑)

というわけで、まだ僕の言葉の送受信の様子を見たことない方は、このページにもあるアイコンからフォローしてみるといいと思うよ!w
ではまた。
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ピッチ?声量?歌唱力?「本物の歌」について考えてみた
数日前になりますが、現在ツアー真っ最中の「山下達郎 PERFOMANCE2011-2012」を見てきました。東京公演は全くチケットが取れない事を知っているので、わざわざ地方のイベンターさんツテを辿って当日券をゲット。車を飛ばして日帰りでのライブ参戦です。

18時半に開演して、22時近くまで約3時間半も休憩もなしでやる今回のライブは、過去の山下達郎ツアーを何度も見ている自分にとっても、本当に圧倒的で素晴らしいライブでした。もちろん、今回からは我らがGenertionGapの盟友、宮里陽太くん(宮ちゃん)がツアーに参加していることもあるんですが、そこを差し引いても本当に良かった。


・「歌」が本来持っている力って、どのくらいすごいのか。


達郎さんのライブに行ったことのある方はご存知と思いますが、コンサートで必ずやる見せ場のひとつに「アカペラ」があります。文字通り、バンドメンバーを一度ステージからはけさせて、自分ひとりで歌うのですが、先ほどまでバンドの音量、音圧の中でパフォーマンスした後に、照明やステージパフォーマンスを排して、歌(自分の声)ひとつでお客さんを魅了する、というのはなかなか出来ることではありません。

特にすごいのは、マイクを通さないで歌うパフォーマンスです。しかも達郎さんの生歌(なま声)は、ステージから客席の最後列まで、歌詞もハッキリ聞き取れるレベルで実に良く届きます。2000人キャパのホールでですよ!歌が上手いのはもちろん、声量というか、声の出し方を徹底的に追求していないと出来ない技です。

まもなく60歳を迎える達郎さんの生声が、ホールを満杯にしたお客さん全ての耳と、心に響き渡る。この瞬間を体験すると本当に鳥肌が立ちます。震えるんですよマジで(笑)。歌のチカラ、歌唱力の凄さってこういうものなのか、と。しかもですね、その生歌が「CDで聴くのと全く変わらない」上手さですから、もう凄いとしかいいようがない。

「クリスマスイブ」とか、CM等でもおなじみのあの「山下達郎の声」ってイメージ出来ますよね。あれがそのまんま、何も通さずに聴こえてくるんです。生歌なんだから当たり前だろ、て思うかもしれないけど、普通僕たちが聴く歌というのはCDであれライブであれ「電気的に拡声された」声です。ましてCDなんてのはバッチリ編集してMixした最高の状態の声だから、それが生と同じに聴こえる方が珍しい。

3時間半のステージを休みなくやって、その終盤に「いつまでこの声が出るかは分からないけど…」というMCの後での生声披露、しかももの凄い声量のシャウト!あんまり書くとネタバレになりますが(笑)、歌とか声だけでここまで感動させられる力があるのか、と感じざるを得ない圧巻のライブでした。


・だけど世の中は、どれだけ「本物の歌」を求めているんだろうか


ひるがえって、昨今のJ-POP音楽の流行を見ていると、もう「歌わない歌手」というのもある種のスタンダードになりつつあるというか、普通になってきている感じがあります。AKB48やその関連グループ、ジャニーズのほとんどのグループはTV収録では当然のように歌っていませんし、コンサートでも歌う曲よりも歌わない曲の比率が多いのは誰でも知っています。

アイドルグループだけではなくて、例えばPerfumeなんかも、CD制作の段階で本人の声を到底かけ離れたレベルまで楽器的に加工・編集しているわけで、こういった音楽を「歌っている」とするかどうかは、ぎりぎりの所だと思います。少女時代やKARAといったK-POPのグループも同様です。「良いか、悪いか」ではなくて、そういう制作手法、音楽表現がもう一般的になってきてる。

山下達郎と比べて、最近のアイドルグループは歌が上手くないから…とかそんなバカな事をいうつもりはありません(笑)。歌手やアーティストだからって、必ずしも歌う事を前提とはしてない時代なのかな、という風に思ったのです。歌番組で「口パク」してるからって、その事について今更どうこう思うこともないし、ファンの人も気にしてないって感じですよね。

TV番組の場合、番組の進行上いろいろなトラブルを未然に防ぐ為にアイドルグループでなくても口パクで収録する事は多くありますが、コンサートやライブを「歌わずに」やる歌手(?)の登場、そしてそういう人たちが時代に受け入れられて、人気もある。すると今度は、作り手の側も「それなら」という感じで、歌える事を必ずしも前提としない楽曲を作ったり、音声の編集をするようになる。

実際の話ですが、今はリアルタイムでも歌のピッチ直しが出来るので、ライブで口パクじゃなく本人が歌っていれば、必ず生歌だとは限らないんです。同様に、生歌・生演奏を売りにしている音楽番組がいくつかありますが、あれもTV局の音声さんがバッチリ修正・編集しています。それは「歌が下手だから」というよりも、そのアーティストの事務所側の要望であったり、そもそも何となく直しているケースも多い。

「歌」って、ピッチやその他をとにかく直すものという感覚があるのは、残念ながら今の音楽業界にいる人には否定できないと思います。歌手本人も、プロデューサーやディレクター、エンジニアも、歌ったからには「直す」のが常識で、「直す」という言葉が適当でないとしたら、「最高の状態になるようバッチリお化粧する」みたいな感じ。いずれにしてもそこを改めて考える人は少ないんです。

だから、実際にJ-POPで聴かれる歌のほとんどは、念入りに、やりすぎなくらい完璧にお化粧された歌だと思っていいし、そもそも本人の声とはかけ離れた「加工された音」に近いものも沢山あります。そういうものも「音楽」として楽しめる受け皿の広さを日本人は持っているのかもしれないけど。(海外では口パクやると相当に非難されるので)


・時代は変わっていく。同じように、歌もきっと変わっていくはず。


昔の歌番組をYoutubeなんかで観ていると、(申し訳ないけど)「歌が下手な」歌手やアイドルの人って、割と沢山いたんですよね。だけど、そんなに気にもならないし、今ではむしろちゃんと歌ってるなぁと思ったりもするわけです。すごく個人的な感覚ですが、SMAPの歌って結構好きで、あれだってそこそこちゃんとピッチ直してるんだけど、やっぱり歌ってるなって感じはまだ残ってる。

人間の声って、不安定なものじゃないですか。だからこそ、あれだけ鍛え抜かれた山下達郎の歌は「神技」だって誰もが感覚ですぐ分かるし、逆に不安定だからってダメかというと、必ずしもそうじゃないと僕は思います。ミックジャガーもトムウェイツもカートコバーンもとにかく歌が不安定ですが(笑)、だからこそロックなんだと思う。

上手い、下手の話ではなくて、歌うことそのものの力ってやっぱりあるんじゃないでしょうか。生で歌わなくて当たり前、歌は直して当たり前、っていうのは、作り手側も聞き手側も色々と損をしているような気がします。「歌手だけど、歌のプライオリティが高くない」タイプのアーティストが、現在のようにずっと人気であり続けるとも思えないですし。でもそれが当たり前だと思っていると、本当に歌える人はどんどん日本に少なくなるだろうから。

というわけで、改めて歌うことの力について考えさせられました。多分みなさんが思っている以上に、本物の歌ってどんどん世の中から少なくなっていると思います。何もかもが便利で、簡単に、ハイクオリティに「出来なかった」時代の方が、良いものは生まれ易かったのかもしれませんね。

それでは、また。
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Spotifyで見えてきた、音楽の「黄金色の未来」
昨日Gizmodeジャパンからの記事発端で一気にヤフトピにまで載ってしまった「音楽ストリーミングサービス「Spotify」がついに日本に上陸か?」のニュース。僕も思わずTwitterで速報してしまいましたが、もちろんまだ噂段階で特別な動きがあったわけではありません。

この「Spotify」(スポティファイ)、まだ日本でのサービスを開始していないので、聴き慣れない方も多いと思います。是非今のうちに、どんな音楽ストリーミングサービスなんだろう?ということを頭の片隅にでも知っておいて欲しいのです。いや、知っておくだけなら絶対損はしないですから!


・音楽とのかかわり方に、大きな変化の波が訪れている


「Spotify」は2008年にスウェーデンで始まった、SNS機能を持つクラウド型の音楽配信サービスです。Spotifyが、例えばiTunesのようなメジャー音楽配信サービスと最も異なる点は、フリーミアム(基本サービスを無料で提供し、追加のオプションサービスには課金する)なサービスであること、そしてSNS(ソーシャルネットワーク)が中心であることでしょう。

まずフリーミアムの点について。Spotifyに登録すると「広告付き・月最大10時間まで」の条件で、登録されている楽曲から好きな曲が全て無料で聞き放題になります。ただしこれはストリーミングによる視聴なので、ダウンロードして携帯やmp3プレイヤーで聞くことは出来ません。パソコンで流しながら聞く感じですね。

これに対して、昨年の4月から「広告なし・時間無制限」で、且つダウンロードして携帯プレイヤーにいれる事も出来る有料プランがスタートしました。こちらは月9.99ユーロ(約1000円)。なので整理すると、

①月10時間までの制限で、好きな曲をパソコンで聴く事が出来る無料プラン
②時間・回数無制限で好きな曲を聴き放題、携帯にもダウンロードし放題の有料プラン


の二つがあります。もちろんどちらを選ぶかは自由。なのでずーっと無料で使い続ける事も(今の所)出来ます。

Spotifyの強みは、世界4大レーベルのEMI、ソニーミュージック、ユニバーサルミュージック、ワーナーミュージックとライセンスを交わし、加えて数万に及ぶ世界中のインディーズレーベルとも契約することで、1500万曲を超える登録楽曲の中から好きな音楽を聞き放題で楽しむ事が出来る点です。この手のサービスは、登録楽曲が魅力的かどうかはとても重要ですよね。

現在ヨーロッパ11カ国、そして昨年7月に正式スタートしたアメリカを含めた世界12カ国でサービスが始まっています。スウェーデンやフィンランドといった北欧では既に「音楽を聴く=Spotify」というぐらい普及していて、イギリスやフランスでも音楽配信サイトのシェアトップ、アメリカではわずか数ヶ月で爆発的に登録会員数が増えているそうです。


・今の音楽業界を変えようとする人達が取り組む、新しい価値観とは


個人的にSpotifyがすごいなぁと思うのは、昨年4月に上記の有料サービスを開始するまでの3年間は「時間無制限の無料聞き放題プラン(広告あり・ダウンロード不可)」だけだった事です。4月に有料・無料プランを設定し、さらに無料プランに時間制限を加えた際には、当然既存のユーザーから大きな反発がありました。

それでもこの有料モデルを導入したのは、そもそも初めからSpotifyは「音楽の違法ダウンロードをなくす為には、それをする必要が無いくらい便利で居心地のよいサービスを作ること」を念頭に、入念な時間と戦略をもって配信サービスを設計していたからだと思います。

実際に試すと分かりますが、Spotifyはストリーミング再生でダウンロードの待ち時間が無いため、iTunesプレイヤーと同じぐらい高速で音楽を次々と再生したり、自分の聴きたい音楽を膨大な楽曲の中から検索する事が出来ます。同時に、FacebookのようなSNSの機能があり、「イイね」によるレコメンドや友達同士での好きな音楽の共有、共感が非常に起こりやすいのです。



実際の所、Spotifyは世界最大のSNS「Facebook」と最も親和性が高い音楽配信サービスといえます。かつて「違法な音楽ファイルの交換サイト」として一世を風靡したNapstarの共同設立者であり、Facebookの初代社長であるSean parkerが、このSpotifyに投資家として「全面協力」をしているからです。

Sean parkerはSpotifyについて「素晴らしい音楽を世界中の人達が自由に共有でき、かつ同時にアーティストや創作者たちの生活を支えることも出来る、音楽の新しい黄金時代をもたらすサービス」と公式に声明を出しています。音楽業界に終りの始まりをもたらしたと言われるあのNapstarの創設者が、再び音楽業界を変えようとしています。


・これから先、音楽にはどんな事が起こるのだろうか


音楽がソーシャルな空間を「無料で自由に」行き来する事で、今までより遥かに多くの人が、遥かに多くの音楽に触れ、聴く事になる時代が来ます。今までは、例えば世界の端と端にいて出会うことのなかった「聴かせたい人」と「聴きたい人」のマッチングがSNSを通じて超効率的に行われるからです。

Facebookは、今までなら絶対に出会うことの無かったはずの世界中の人々との出会いをもたらし、多少の英語が出来ればその人の考えを聞いたり、意見を交わす事が出来ます。TwitterやMixiも同じで、SNSの中でそういった交流を楽しんで、知り合いを増やしたり、既存の友達との親交をより深めたり、みんなやっていますよね。

それと同じ事を「音楽」を介して行おうとしているのがSpotifyなんだと思います。iTunesやその他多くの音楽配信サイトと根本的に異なるのは、楽曲を売るサイトではなく、音楽を介したコミュニケーションがメインであること。魅力のある音楽は言葉の壁を越えますから、可能性はFacebook以上なわけです。

そうは言っても、無料で楽曲をやり取りし放題じゃ、一体どうやってアーティストやレーベルが収入を得るの?と考える方も多いでしょう。日本がこの手のサービス参加に強い抵抗があるのもこれが主な理由ですし、現にColdplayやAdeleといったSpotifyに楽曲を乗せない大物アーティストもいます。

AppleがiTunesを立ち上げた時も、多くの有名アーティストやレコード会社がそのビジネスモデルに不満や懐疑を示し、物議を醸しだしました。しかし今となっては、iTunesは音楽を買って聴くためのごく当たり前のサービスになっています。仮にSpotifyで配信しなかったとしても、YouTubeなどに投稿され、全く利益化できないような楽曲ダウンロードが今も、これからも行われる事は明らかなんです。

Spotifyが昨年有料化に踏み切った時、スウェーデンやフィンランドといった国の利用者の多くは「Spotify無しには音楽を聴く機会が無い」というくらいどっぷりハマっていました。結果、300万人以上の音楽ファンが、月10ユーロほどのお金であれば、それを払ってさらに楽しい音楽体験を続けるという「有料会員」の道を選んだのです。

またSpotifyはSNSなので、ソーシャル上でライブ情報のやり取りをしたり、チケットやグッズの販売を行う事も出来ます。PCで聴く分にはいくらでも無料、しかしダウンロードして携帯する為にはお金を払う、というやり方もとても理に適っている気がします。こうすればアーティストの収入機会は、増える事はあっても減る事はないわけですから。


・一歩先の未来を考える「きっかけ」になる存在


世界最大手のレコード会社、ユニバーサルミュージックUKのVice-presidentであるFrancis KeelingはSpotifyについてこう発言しています。

「音楽に関わる全ての人は、不正ダウンロードを無くし有料会員になってもらう流れの途中にはフリーのサービスが必要で、その間は権利所有者やアーティストが期待する利益とは異なる可能性があることを理解する必要がある。フリーサービスを受け入れることが、今後唯一音楽で利益を出せる方法になる」

この意見には僕も全く同感なのですが、レコード会社の取締役クラスの人がこういうことを言うようになった、というのはやはり時代が変わってきている証拠ではないでしょうか。少なくとも、日本のレコード会社の人には(仮にそう思っていても)なかなか言えない意見です。

日本でいつこのSpotifyがサービス開始となるか、それにはかなり多くの権利や既得権益に関るハードルがあります。ひょっとすると、現状のままでは日本では難しいかもしれません。ただ、SNSを通じたコミュニケーションの楽しさや、それがバイラルして広がる時のスピードやパワーの凄さを、僕達は既に知っています。

人間は、一度便利なもの、面白いもの、感動するものを知ってしまうと、それが無い状態ではなかなか満足が得られなくなってしまう生き物です。だからこそ、いいか悪いかは別にして、文化やテクノロジーは常に進化してきました。音楽もコミュニケーションも、遥か昔からみんな大好きで、ずっと手放せなかったもののひとつです。

前述のSean parkerは「Spotifyは音楽への海賊行為に対する最終回答だ。音楽に人生を捧げている全ての人たちが、これをきっかけに新たな収入を得られるようになる」と明言しました。音楽業界やミュージシャンの方は、この大きな流れの変わり目の中で、このSpotifyの存在は「音楽の未来をちょっと考えてみる」一つのきっかけになると思いますよ。


それでは、また。
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同世代のミュージシャンに知ってほしい「生き残り方」4つの提案
Twitterやり始めて10日くらい経ちますが、明らかにblogの更新が止まりました(笑)。
いやー考える事が多いですね。Twitterだけではなく、世の中を流れる情報のスピードそのものについて考える事が多いです。量についても、早さについても。

2000年代も、はや12年目に突入しているわけですが、この10年間くらいに起きた僕達の身の回りのモノ、情報、テクノロジーの変化は歴史的にも凄いと思います。目まぐるしい、信じられないくらいのスピードでの「変化」ですよね。

結局のところ、この「変化」に合わせてどのくらい業界を、組織を、そして自分自身を変えていけるかどうかが、生き残りを分ける最大の要素なんじゃないかと思います。


・同じ業界の「常識」を疑ってみる。むしろそれを一度覆そうとしてみる。


というわけで前回のblogの続きですが、日本の音楽業界やプロのミュージシャン、バンドが「厳しさを増している…」と言われて大体10年くらい経ちます。僕がレコード会社に社員として入社したのが丁度そのくらいなのですが、その時から既に部署の先輩には「数年前は全然良かったのに、今は…」と言われ続けてました。

レコード会社は、文字通りCD販売業です。音楽制作機能や、マネージメントの機能を持った総合エンターテイメント企業を目指している所も多いですが、基本的には、CDが全く売れなければ利益が(ほとんど)出ないような仕組みになっています。

CDやDVDというソフト商品を主力に扱うレコード会社が苦しくなれば、当然その先にある卸会社、流通、小売店はもっと大変になりますが、そこはまた別の話として割愛します。が、いずれのポジションであっても、「ソフトを売る」というビジネス自体が、根本的に変化しなければならない時期に来ている、というのは間違いありません。

既にプロでも、これからプロを目指す人でもいいのですが、もしこの先音楽に関ってやっていこう(生活していこう)と思うなら、「CDを売ってお金を稼ぐ」という発想を、一度完全に無くして活動をやってみると、一体どうなるでしょうか?

えぇ!?という人もいるかもしれませんが、実は海外のアーティストやバンドは数年前からそのポリシーで活動しているような気がします。アーティストやバンドが「その前提」で音楽活動をするようになると、自然と音楽業界全体がそういう方向に動かざるを得ません。


・今一度、「パワーを注ぎ込むべきこと」を考えてみる。


先日アメリカのBillbord誌が発表した「米国音楽業界のパワーランキング」を見れば、そこにはレコード会社の社長ではなく、イベント会社、ライブ制作、マネジメント会社のトップが軒並みランクインするという結果がありました。世界の(特にアメリカの)音楽業界のパワーは今、そこに注がれています。

ここが大事なんですが、日本にあるレコード会社とか、既存のレーベルが「よし、明日からCDは売らない!ライブだけで頑張ろう!」という風には、まずなりません。そうしたい判断(というか読み)はあるかもしれませんが、肝心のアーティストやバンドがその仕組みで動けなければ、既存のビジネスを損なうリスクになるからです。

J-POPの世界では、まだまだそのヒエラルキーのトップに「レコード会社」がいます。これはレコード会社がいつまでも偉そうにしている、というわけでは決してなくて、ほとんどのアーティストやバンド自体が、「レコード会社に頼ること」を成功や売れることの前提としているからです。

「メジャーデビュー」という言葉のもつブランド感、みたいなのがまだやっぱり日本にはある。けれど、そもそもMajor Debutという英語自体が今のアメリカにありません。まぁIndieに対してのMajorなので意味は分かると思いますが….
メジャーデビューと言われてもピンとこないはずです。


・誰もやっていないアイディアを実行する事は、「成功すること」よりも大きい。


前回のblogで書いた通り、CDを売って成り立つという前提が既に海外では崩れています。唯一日本だけが世界最大の「音楽ソフト市場」なので、日本で音楽活動する場合にはまず「どうやってCDを売るか」という話になってしまうだけなんです。

一方海外のミュージシャンは自国でCDを売ってもどうにもならない(マーケットが小さすぎる)ので、必然的に世界中で好まれること意識した音楽を作らなければならない。具体的には、最新の音のトレンドを追って、インパクトのあるPVを作って、一曲辺りの購入単価を下げる(極端に言えば無料)にする事です。

音楽のトレンドって常に変化していて、今やUsherやNeyoでさえDance Musicをやってます。なぜならR&Bをやっても、もう売れないから。でもそのくらいの違いは日本ではあまり問題にされないというか、CD売上に影響しない。だけど確実に差は開いていて、J-POPは今後どんどん海外で聞かれる可能性が少なくなるでしょう。

大切なのは、世代、ジャンル、嗜好といったターゲットを一度絞った上で、レコード会社やレーベル発信ではなくアーティスト本人がやれる方法を考えて実行すること。特に誰よりも先に「まだ試した事のないアイディア」を実行する事が大切です。

ネットが普及した今の社会では、「一番に最初に実行する事」の重要性が、成功するかどうかよりも大きい。新しいアイディアがいくつコケてもネットではどんどん流れていくだけですが、一番最初に実行した、と言うのはずっとログが残るんですね。その時に評価されなくても、後から伸びる可能性がある。

なので、とにかく新しいことにチャレンジしながら、自分の音楽や音楽活動に関する「ポジション」を作ることが大事です。よく「ニッチビジネス」という言葉を聞きますが、あれは複数の大きな市場の「隙間」を狙うのではなくて、もともと埋まっていたところに隙間を作る、という事なんです。

世界中を相手にして音楽活動出来るようになれば、実はCDを売らなくても、ファンがものすごく少なそうな音楽でも、ビジネスになり得る。僕のやっている事もそんな感じで、新しいアイディアを出して、元々はなかった小さな自分のポジションを作り出してやっているだけです。英語は多少、必要かもしれませんが。


①誰もやっていない事を考えて、実行する。
②最初から世界を相手にした音を意識する。
③小さくてもいいので「自分のポジション」を作る。
④ちょっとだけ英語を勉強する。(ネット上の共通言語なので)

とても上手くいくように思えなくても、「誰もやっていない事」をやってみて下さい。既に誰かがやっている事で成功するには、かなりの労力とリスクが必要になっている時代です。逆に売る事が難しく、他の人には作りこめないような音楽を作って売る事が出来れば、この先どんどん強くなりますよ。


というわけで、今日はこの辺で。
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