爆音の中、BACK-ONから言われた言葉
昨夜の吉祥寺ライブが終わってから丁度24時間とちょっと。

ライブ後は朝まで作業して、仮眠した後渋谷でアルバムの取材、で帰ってきて再び徹夜作業中、です。さすがにこの歳になると堪えるかも…ってこの前のライブMCでもそんな話ばっかりでしたが@nisaです。




率直言ってしまおう。
僕には大きなコンプレックスがある。
それは「キーボード・コンプレックス」だ。

自分の担当パートである楽器に、ストレートな愛を貫けない。色々と複雑な思いを持ちながら、付き合っているのが本音だ。もう何年もこのパートで沢山のライブも演奏してきたけれどね。




鍵盤楽器に対するというより、バンドにおけるキーボードの役割について、僕はいつも懐疑的な見方をする癖がある。

好き嫌いに関わらず、バンドにドラムとベースは欠かせない。エレキギターも、かなり特殊な場合を除いてそれそのものがRockの象徴だと言えるだろう。そしてボーカル。これはジャンル関係なく歌物である以上バンドにいないわけにはいかない。

DreamTheaterだって実は一番人気はボーカルなのだ。

いや、もとい。

だから僕は、バンドメンバーの中にキーボーディストがいる事を客観的に、その必要性を見出す事が難しかったりする。シンガーがピアノを弾き語りする場合は別だけど。

なんていうか…アレンジ上必要、という妙な理由以外で積極的にバンドにキーボードを入れる理由を探してしまうのだ。




キーボードの音って、あなたはどんな印象だろうか。

僕にとっては、繊細で、高音域に特徴があり、空間を埋めやすい楽器。ピアノやオルガン、エレピなど、他の楽器では代用が利かない鍵盤楽器特有のフレーズが使えるのも強みだろう。

一方で、軟弱で、低域に迫力がなく、定位がボケやすい楽器でもある。ライブハウスではPA的にキーボードの音の扱いが難しく、滅多にいい音で鳴っているキーボードの音を聞く事が出来ない。

極端な言い方をすると、ライブハウスでのキーボードの音って聴こえないか、耳に痛いかどっちか。
ホールやアリーナなどの大規模なシステムでも、キーボードが入った途端に、音場の制御調整は格段に難しくなる。結構やっかいな存在なんだよ、キーボードって。




勿論ジャズやアコースティックな音楽にとってはピアノというのは本当に必要不可欠な楽器だ。だけれども、僕は"ピアニスト"ではない。そういったジャンルで自分の立ち位置を取れなかった人間だ。

だから、GenerationGapの竹内くんの演奏など観ていると、本当に違う世界の人間だな~と思うことが良くある。
まぁ僕と彼では、草野球とメジャーリーグくらい違う。だから余計に、キーボーディストとして自分がバンドに何を貢献できるか、常に迷ったり悩んだり試行錯誤を繰り返してばかりの毎日だとも言える。




最近の音楽…特にJ-POPについてはキーボードはもう、絶対に必要な楽器の一つだ。キーボードを全く入れずに、J-POPを作るのはかなり難しい。そのぐらい、意識されないほどサウンドに溶け込んでいる。

でも、キーボードがメンバーにいるバンドというのはまだまだ多いといえない。この辺の葛藤はきっと
みんな同じなんだろうなーと思う(笑)

昨日の吉祥寺ライブは、それこそどのバンドも全くといっていいほどキーボードを必要としない、ツインギターや歪んだベース、ドラムと三位一体になってゴリゴリと押してくるRockなバンド揃い。

こういう時、あぁ、なんて自分は場違いなんだと、良く思う。みんながどう思うかは分からないけれど、僕達キーボード弾きはライブハウス(特に対バンの)で、ものすごく肩身が狭い。

これは、キーボーディストなら絶対分かるはず!(笑)

だからたまに同業と会うと、得体の知れない連帯感が生まれる。でも昨日なんかは、ホント心細かった。なんていうか、俺の音なんか聞こえないだろうなとも思うし、逆に聴こえすぎると、他と比べてポップに聴こえすぎる。

僕はバンドの音がこうなって欲しいという明確なビジョンがあるのでそれが意図と違う鳴り方でお客さんに聴こえてしまうのがどーにもダメなのよ。こういう所だけ完ぺき主義。

なによりやっていて、対バンの人達やそのお客さんからはあんまりカッコ良く見えないだろうなぁ、って
もの凄く自虐的な、マンガみたいな感情に襲われる時がある。

まさにドM。




まぁひとしきり誰にも言えなかった本音を書いたけど、昨日のライブ後、ちょっと驚くべきことが起こった。

昨日はどのバンドもかなりRockな、ヘビーなサウンドのバンドばかりだったんだけど、全部のライブが終了後、とある対バンだったの「BACK-ON」のメンバーの方達に「キーボードの音とかフレーズがすごく良かったです!」て言われたのね。

僕は思わず"エッ!?"て。何言ってるの??みたいな。まさか昨日みたいなイベントで、そんな所を聴いてくれて
カッコ良かったって言ってくれると、思ってなかったから。

聴いてくれる人が、ちゃんといるんだなぁ、と。というかむしろ、僕自身が聴いてなさ過ぎなんじゃないか、と
結構反省もした。

きっと誰もが、自分の中にちょっとしたコンプレックスを抱えていてどーしてもそこから目や意識を逸らしたくなるけれども、逆にそれを長所に変えるとか、逆手にとって個性にするとか、とらえ方次第なんだなと思い直した。

コンプレックスがなくなる事は、ないかもしれない。

けれど、それをただネガティブに、嫌なものだと考える必要も無い。人の言葉をちゃんと聴く事。常に自分自身を見つめる事。そうした上で行動していければ、過剰に恐れる事はないんだ。

もっともっと、色んな物をちゃんと愛していけるはず。

自分の事も、自分以外の事もね。



と、BACK-ONのメンバーさんにしてみたらそんな大げさな話じゃないだろうけれど、その一言で随分助けれたのです。そのぐらい、普段は見向きもされないんだよ、このポジション(苦笑)。

自分自身の個性をより磨いて、オリジナルだけれどカッコいいと思われるキーボードディストになりたいと、
今は思っています。

みなさんも今度時間がある時に(?)そんな鍵盤弾き達の陰ながらの葛藤をヒストリーを観察してみて下さい。

バンドマンって、日々ひたむきにやれる奴の事をいうんですよ。




明日から3連休。どこかへ出かけるも、家でのんびりするも良し。思いっきりエンジョイして、素敵な週末を過ごしてくださいね。

CD発売まであと26日。

まだまだみんなのアクションを待っています。
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