Third man running(7)
桜が満開になった4月の初めの頃には、既に新しいアルバムの
全容は固まりつつあった。
今改めて考えても、今回のアルバムのレコーディング作業は
とても順調に進んだと思う(その分、歌詞で苦労したが…)
昨年の夏からそれぞれが溜め込んでいたアイディアに、
各自が個人作業でやっていた試行錯誤が役に立ったのかな??

当初、予想していた困難があるとすれば、ベースの録音だった。
これはレコーディングが始るまで本当にどうなるか分からなかったが
始ってしまえばそんな心配は杞憂だったな。
多分レコーディングが始る前から、Akiyukiは全ての曲を
自分で弾くつもりだったんじゃないかな??
結果的には色々なベーシストにも数曲レコーディングをお願いして、
すごくカラフルな楽曲の骨組みが出来上がった。
これはすごく微妙な違いのようで、今までの作品と決定的に違う部分。
アルバム全体のグルーブは、ドラムとベースを同じ人間が担当する事で
すごく統一感というか、タイトな感じになった。

楽曲のアレンジにはそれぞれ、Akiyukiか僕の名前がクレジット
されているけれど、個人的には全曲彼でも良いと思っている。
ほとんどの曲を二人で作業して勧めていく中で、ほんのちょっとだけ
自分のアイディアが多めに入っている楽曲…それが僕の
クレジットになっているだけで、実質的にはリズムやハーモニー、
フレーズや楽器のアイディアは彼の頭から作られていると思う。
僕がスタジオでやっていた作業は、そのアイディアを引き出して、
上手い具合に録音する事…言ってしまえば、楽器にマイクを立てて
ちょっとその気になるようにハッパかけたくらいかな?(笑)
今回のアルバム製作は、そのほとんどを都内の幾つかのスタジオで
レコーディングしたんだけれど、それこそ何日もそこを借りて
納得のいくまで自分達だけで詰める事が出来た。
自分の家でホームレコーディングされた音は、1stや2ndに比べてずっと少なくなっている。けれど自分達で録音した音は以前よりずっと多い。
だから今まで以上に、手作り感が音に出ているかもしれないな。

実際に手元にある1st、2nd、そしてニューアルバムを聴き比べて、
一番違うのはそれぞれの楽器のドライな感じ。
歌も、それぞれの楽器も、すごく近い所に聴こえるように作ってる。
それは結構好き嫌いがあって、音楽がダイレクトに聴こえるメリットもあれば、派手なお化粧が効かなくて地味に聴こえる部分もある。
それでも敢えて、今回のアルバムで新しいサウンドに挑戦したのは
バンドにとってもすごく意味のある事だった。
僕が今回のアルバムで一つテーマにしたかったのは"距離感"。
それは音楽演奏する側と聴く側の距離、って事だけじゃなくて
もっと広い意味での人間関係…恋愛とか友情とか、家族とか。
ひょっとすると一番はバンドのメンバー、すなわち4人の距離感だった。
だからそれが近く、生々しさを感じられる距離感をサウンドで
作れたことは、自分にもまだまだ色々出来るかも!と発見出来た
すごくいい経験になったと思う。
だから今度はドーム会場で演奏するみたいな、
すごく距離の遠いサウンドも作ってみたいんだけどね(笑)。






(続く)
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